すいません5

就活→休学→インターン

スタートアップで働いた2年9ヶ月を振り返る

このブログを書くのも2年半ぶりですね。

スタートアップで楽しく愉快に働いていましたが、10月末をもって退社となり、現在有給消化期間としてニート生活を謳歌しているなか、突然書きたくなったのでブログを久々に書いていきまする。

 

そもそも私はなんでスタートアップで働いていたのだろうか・・・?

スタートアップ、もといベンチャーといえば聞こえはいいが、ゆるやかな成長曲線を描く非連続なスケーラビリティがあるわけではないスモールビジネスのマーケターとして働いて得たこととは一体なんなのだろうか・・・?

 

1.何がなんでも数字を達成するマインドの醸成

はい、これは一番ですね。僕はやりきる力が終わっている怠惰な人間なので、強制的に目標を達成しないと死ぬ環境に身をおくことで、受験勉強でやりきらなかった自分の腐った性根を叩き直す意味が一番大きかったと思います。

マーケターといえばキラキラした施策をぶん回し数字を管理してツールでデータ管理して分析して次の施策を回すイメージがあると思いますが、「予算がない」「施策の実行力のある組織ではない」「社内事情により(本質的ではない)いろいろな制約条件がある」などの課題から、最終的にはどれだけ向き合って突破できるか、というスタンスが身につきました。これは今後の自分の人生、何をやるにしてもベースになる部分なので、めちゃめちゃ良い経験でした。

泣きながら徹夜で無理と思えることを可能にする、気がついたらバイブスがあがって20連勤する、風呂にはいるのを忘れインターン生に臭いと言われる。このあたりの経験は、未来の自分の糧になると思っています。

入社時点で「泥のように働きます!」と高らかに宣言したことを体現できたのは少しばかり自分の自信になりました。(最初の数カ月は2回ぐらいしか出勤しなかったのを考える、ウンウンよくやったゾイ)

 

2.「数字さえ達成すればいい」という部分最適の落とし穴

同時に、短期的な目標達成のために頑張ると、数字以外の本質的にサービス提供において大事なことを忘れます。何がなんでも刈り取る焼畑農業のような集客は、たしかに引き出しとしてはすごく大事なのですが、そもそも「このブランディングは中長期でみたサービス設計において理想の姿とかけ離れすぎていないか?」「毎月火の車のような集客をして疲弊するのは不健全、仕組みにおとして楽して目標達成し続ける状態をつくるほうに頭をさくべきではないか?」などの観点を忘れ、「未達」の2文字を消すために動く思考停止人間となります。

また、自分の部署の数字を追い求めるばかり、他部署の数字が下がる施策を打ってしまうこともあり、このあたりは全社視点でどうするべきか?という経営目線があるマネージャーになるべきと考え、最後の7ヶ月間は奮闘しました。

結果として全社視点はある程度は育ったと思います。

3.300人以下の会社は社長がすべて

しかし、最終的に僕がぶち当たった壁は組織です。会社において一番の意思決定者は誰か?会社誰のものなのか?それはファウンダーとCEOが一致している場合は間違いなく社長です。

社長が組織をつくり、社長がサービスをつくり、社長が会社をつくります。

全社視点にたつとは「この社長と一緒に未来をつくっていきたいか」という問いそのものであり、自分のレイヤーがあがればあがるほど、このミスマッチを感じてもどかしくなっていきました。

自分より2周りも年上のメンバーとの調整業務、スピード感のない仕事、最終的には(僕の我が強すぎるのかもしれないが)イケてない施策をイケてると判断して進んでいく会社に対してリアルゲロを吐いてしまい、このままだと自分がおかしくなると感じて退社を決めました。個人個人のメンバーに対して思うことはたくさんあれど、最終的にはその仕組やカルチャーを作っているのは社長であり、嫌な部分も好きな部分も含めてついていきたいと思えるかどうかがすべてだなという学びです。

これは将来自分が社長になったときに最高の学びとなりました。

4.0→1フェーズと1→10,100フェーズの人材の違い

入社してから30名ほどのメンバー交代を見てきましたが、創業直後のスタートアップからシリーズBぐらいまでいきある程度の仕組みが整ってきた会社では、カオスな人材のサラダボウル的な状態からある程度のフィットした人材への転換期が起き、まさに自分は最後の1-2人ぐらいという感じでした。初期のバイタリティのある人材たちはおそらく今のフェーズで戻ってきてもなかなかフィットしません。攻める人材と守る人材とでもいいましょうか、特にこの部分で自分は守る人材としてボケに対して突っ込む役割、空中戦ではなく地上戦を戦う人材のように感じていましたが、実際のところはわりと攻める人材だったようです。

攻める人材が活躍するためには「カルチャーのあう会社にいく(作る)」「既存の会社のなかで自分のプレゼンスを高めたり、補完できる人間と組む」のようなことが大事なのかなと思いますが、後者に関してはそこまでしてコミットしたい会社、自分の貴重な20代を通じて主体的に関わりたいサービスであるのかなどのそもそもの部分が大きく、僕はそこはありませんでした。率直にいうと「彼らと一緒にすごすなら自分でやったほうが有意義だ」と感じたのです。とても我の強いワガママなやつですね笑

最終的にはそういう人材が残ってくれるかも「社長の器」といえばそれまでなのかもしれません。

 

5.まとめると「スタートアップは苦しいが楽しい」

私の敬愛する本田圭佑がオランダ2部リーグで「ここは底辺だ。自分のマインドを変えて、個の力を高めてステップアップする」という心持ちで周りのレベル感より高いレベル感で自分と戦っていましたが、おこがましい話僕も似たような考え方を持っていました。

そういった「イケてない組織で働く経験」はとても貴重であり、そこに期間を決めて向き合いきってやりきったという感覚があるので、苦しいながらもある意味とても楽しい期間でした。

間違いなく入社してよかったですし、間違いなくいまのタイミングでやめることは正しいと思いますので、ここから先は体調やメンタルを整えて、年収が高いオファーをもらえる嬉しさや自分を褒める気持ちを噛み締めつつ、できるだけ守りに入らずバイブスマックスで働けるような攻めの姿勢で今後やることを定めていこうと思います。

今日で私の席が撤去され「おめーの席、ねーから!」状態になるそうですが、今あることを断ち切り次のまだ見ぬ爆裂に向けて邁進していく所存。